バイオエタノールは、再生可能な自然エネルギーで大気中の二酸化炭素量を増やさないエネルギーとして将来に期待されています。地球温暖化にもよいですが、エネルギー生産手段としての効率性や食料との競合が問題です。
バイオエタノールとは、サトウキビやトウモロコシなどのバイオマスを発酵させ、蒸留して生産されるエタノールを指します。バイオマスエタノールともいいます。エタノールは石油や天然ガス合成することも出来ます。そのようにして生産されるエタノールを合成エタノールと呼びます。バイオエタノールは、再生可能な自然エネルギーであり、及びその燃焼によって大気中の二酸化炭素量を増やしませんからエネルギー源としての将来性が期待されています。しかし、他方では生産過程全体を通してみた場合の二酸化炭素削減効果やエネルギー生産手段としての効率性や食料との競合などといった問題点も指摘されています。バイオエタノールの原料は、理論的には炭水化物を含む現生生物由来の資源なら何でも良いことになっています。糖質原料として、サトウキビ、モラセス、テンサイ(甜菜)でデンプン質原料は、トウモロコシ、ソルガム(モロコシ、こうりゃん)、ジャガイモ、サツマイモ、麦となっています。なお、バガス、パルプ廃液、廃材木などの多糖類を分解して原料とするバイオエタノールの研究も進められています。
バイオエタノールを内燃機関の燃料として利用する場合は、エタノールのみで利用することもガソリンなどの燃料と混合して利用することも出来ます。一般的にガソリンと混合した場合は、エタノールの混合比率により、「Exx」と表記されます。バイオエタノールを燃料とする内燃機関は、構造的には純粋なガソリンを燃料とするものでも問題はありません。アメリカでは現在走行しているガソリンエンジン自動車についてはE10まで許容されています。アメリカの一部の州ではバイオエタノールE10の販売が義務づけられているようです。なお、標準的な自動車用エタノール・ガソリン混合燃料E20のものが現在ブラジルで販売されているそうです。これに対して日本では、2003年6月25日にエタノールは混合率3%(E3)までですと自動車に使用しても安全という結論を出しています。なお、バイオエタノールをガソリンと混合してエンジンの燃料とする場合は、エタノールとガソリンが相分離することを防ぐために水分が混入しないようにしなければなりません。
バイオエタノールは、再生可能な自然エネルギーで二酸化炭素量も増やさないため地球温暖化に対する関心が高まっています。しかし、バイオエタノールの原料となる作物を増産するために野放図な開墾が行われる可能性や作物の生産過程で農薬や肥料が過剰に投入されたりなど、バイオエタノールの生産が拡大されることによって生態系が破壊され深刻な環境問題が発生する可能性も考えられます。バイオエタノールの原料のサトウキビの生産適地とされるブラジルのサンパウロ周辺ですが、今後の栽培地拡大もこの地域が中心となると考えられているようです。その他、バイオエタノールに生産により食料との競合が考えられます。2007年1月のトウモロコシの価格が2004年から2006年にかけての平均価格の2倍となったそうです。砂糖も2割ほど高くなっています。トウモロコシやサトウキビがバイオエタノールの原料となっているためバイオエタノール増産が、農産物の価格高騰を招きエタノールと食料の競合が生じています。